ヒトの身体は、数十兆個の細胞で構成されています。心臓や肺、神経、皮膚などの細胞は、働きが異なるだけではなく、形や大きさも違うもの。しかし、もとをたどると受精卵という細胞にいきつくはずです。
つまり、全ての細胞は同じ遺伝子情報を持っているということになります。なぜ、同じ遺伝子情報を持っているのに、異なる細胞になるのでしょうか?ここでは、DNAメチル化と深く関わるエピジェネティクスやDNAメチル化解析でわかることを解説していきます。
エピジェネティクスは、簡単に言えば「DNAを司る塩基配列の変化を伴わず、細胞が遺伝子の働きを制御する仕組みを研究する」学問のこと。人間の身体は基本的に卵子と精子によって作られる受精卵が分化することで、手足や顔、内臓などの細胞が形成されています。
一般的には父母や祖父母などルーツとなる存在に似て生まれてくる人が多いように、どのような細胞を作るかは遺伝子によって決まるのですが、一卵性双生児でない限り誰かとまったく同じ顔と身体になることはほぼ考えられません。
では、なぜ遺伝情報が同じでも別々の細胞が作られるのか?というと、これは細胞ごとに「使用される遺伝子」と「使用されない遺伝子」が分かれているから。つまり細胞は遺伝子のオン・オフを制御し、必要な時に必要な遺伝子を働かせている、というわけですね。こういった仕組みのひとつを“エピゲノム”と言い、遺伝子を使う、使わないで分類する際に付けられている目印を“エピジェネティクス制御”と呼びます。
エピジェネティクス制御には、大きく分けて「DNAを核の中に巻き取っている“ヒストン”というたんぱく質に目印を付ける」パターンと「DNAをメチル化することで目印を付ける」パターンがあります。中でも近年特に注目されているのは後者だと言われており、DNAを構成する4つの塩基の中のシトシン(C)に付加される水素がCH3(メチル基)へと変わることを指します。
そうなれば何が起こるのか?というと、塩基配列の一部がメチル化するとDNAにメチル化の目印が付き、遺伝子の働きが制御される、ところが重要です。シトシンがメチル化しなければ遺伝子が働きますが、メチル化すると遺伝子は動かなく(使わないものと)なります。つまり、遺伝子の働きを決めるためには塩基配列だけでなく、エピジェネティクス制御も大きく関わっている、と言えるのです。
このような動きは基本的に不必要な遺伝子を排除し、身体を正常に保つために行われますが、場合によっては「必要な遺伝子を排除したり、不必要な遺伝子の働きを促進したり」してしまう恐れも。そのため、先天性心疾患やがんなど遺伝的な要因も関係すると言われている病気を予防し、適切な治療を行うためにも今後エピジェネティクスの研究は重大な意味を持つと考えられるでしょう。
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