次世代シーケンス解析(NGS)ラボラトリー「NGS Labo」
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次世代シーケンス解析(NGS)までの流れ

次世代シーケンス(NGS)解析までの流れ

現在では幅広い分野の医薬生物学において欠かせないツールでもある次世代シーケンス解析。既に多くの研究者に用いられ、論文も年々増えています。
ここでは、これから次世代シーケンス解析を使ってみたいとお考えの研究者に向け、解析の基本的な流れについてご紹介します。

目次

ライブラリー調整

まずDNA、もしくはRNAのサンプルをシーケンサーに対応できるよう調製するのが「ライブラリー調整」です。一般的には、以下のような流れで行われます。ライブラリー調整は次世代シーケンス解析の中でも第一歩となるからこそ、解析の成功を目指すために非常に重要です。

  1. DNAやRNAを精製し、サンプルを準備
  2. DNAを断片化し、両端にアダプターを付加してシーケンスライブラリーを作成
  3. 断片を増幅して精製

また、多数のライブラリーを1つにまとめて「複合ライブラリー」とすることで、リソースを節約することも可能。この場合はアダプター付加の際、固有のバーコード(インデックス配列)をライブラリーに加える必要があります。

シーケンス

シーケンスとは一般的にデータ手順や並んだ順番で取り扱う処理方式を指しますが、ゲノム解析においては「DNAの正確な配列を決める」プロセスとなります。

基本的には前述で調整したライブラリーを測定機器に移し、シーケンサーにかけます。するとDNA断片のクラスター(illuminaシーケンス機器を用いた時、ライブラリーの1本鎖DNAを解析可能な状態にしたもの)が増幅され、一本鎖あたり何百万もの遺伝情報のコピーが生成されるのです。これは塩基配列を解析する際の鋳型となります。

ちなみに次世代シーケンサー機器の代表的なメーカーのひとつであるillumina社の場合は、ほとんどのシーケンサーでこのクラスター形成が自動的に行われるそう。また、同じく代表的なメーカーであるThermo Fisher Scientific社の場合は、エマルジョンPCRと呼ばれる方法により、光ではなく半導体を用いた電位検出によって塩基の判定を行うのが特徴です。

また、DNAの配列を読むとそのリードは流れ、ライブラリーの逆面に対して再度同じプロセスが繰り返されます。これを「ペアエンドシーケンス」と呼び、片側のみで結果を検出する場合よりも豊富なデータを取得できるのがメリットと言えるでしょう。

解析

最後に、シーケンスにて得られたデータを解析します。これは機器に搭載された機能によって塩基に変換され、特殊なファイル形式で保存されますが、この状態では「塩基配列が並んだデータ」というだけで、その意味を可視化できません。

そこで、それを公共データ等のリファレンス配列(既知の配列)と照らし合わせることで、シーケンスデータの詳細を割り出すのです。例えば発現解析なら、マッピングされたリード数を数えて遺伝子の発現量を照らし合わせ、変異解析ならマッピングされた配列情報とリファレンス配列の違いを見る、といった具合です。

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