次世代シーケンス解析(NGS)ラボラトリー「NGS Labo」
次世代シーケンス解析(NGS)ラボラトリー「NGS Labo」 » 次世代シーケンス解析(NGS)の基礎知識 » 研究も医療も変わる!
次世代シーケンス解析(NGS)とは

研究も医療も変わる!
次世代シーケンス解析(NGS)とは

研究も医療も変わる!次世代シーケンス解析(NGS)とは

ゲノム配列を高速で解読できる次世代シーケンス解析。これによって、様々な基礎研究や応用分野で活発に利用される時代になってきました。

しかし、この次世代シーケンス解析は前身のサンガーシーケンシングとどう違うのでしょうか?詳しく解析していきます。

目次

次世代シーケンス解析の前身
「サンガーシーケンシング」とは?

サンガーシーケンシングは「サンガー法」や「サンガーシーケンス」とも呼ばれ、次世代シーケンス解析の前身と言えるものです。
目的としては遺伝子やたんぱく質の構造に大きく関わる核酸(DNA、およびRNA)の塩基配列を読み取り、それを詳しく理解することで、例えば医療分野においては疾患の根底的な原因を探ることが可能となります。

これはノーベル賞も受賞した生化学者フレデリック・サンガー氏が生み出した方法で、DNA複製酵素である高精度のDNA依存性ポリメラーゼを用い、末端が特定の塩基と相互的な関係を持つDNA断片を合成します。

主流なのは「ダイターミネーター法」

これは「ダイターミネーター法」と呼ばれる手法が一般的で、鋳型DNAに対し、特異的に結合する一種類のプライマーからの伸長反応が用いられるのが特徴。
ただし、この状態だと単にDNAが伸長されるのみで配列が読めないので、ここで登場するのがA・T・C・Gという4つの塩基と糖、そしてリン酸が結合した「ヌクレオチド」(DNA を構成する4文字それぞれの材料ブロックのようなもの)です。

正常な各種ヌクレオチド一部に欠陥ヌクレオチド(ジデオキシヌクレオチド)を混ぜ込んでおくと、DNA ポリメラーゼは一塩基分伸長したところで止まり、それ以上伸びなくなります。ポイントは適度な濃度、かつ絶妙な配合で混ぜること。
これにより、様々な長さの伸長産物の断片を生み出すことが可能です。各ジデオキシヌクレオチドには、独自の蛍光色素(4色)が付加されている点も押さえておかなければなりません。
この色素は言わば標識のようなもので、キャピラリー電気泳動と呼ばれる装置を用いて上記DNA断片の長さ、およびランダムに取り込まれたターミネーターの蛍光色素の種類を読み取ることで、塩基配列を自動的に検出することができるのです。

新時代のゲノム分析!
次世代シーケンス解析技術の概要

このように従来のサンガーシーケンシングは、当時塩基配列を読み取るための画期的な方法として誕生しました。しかし、前述した通りやや複雑で、場合によっては手作業の部分もあるため、手間がかかってしまう傾向も。そこで近年ではより大量に、かつ素早く遺伝情報を知ることができる「次世代シーケンス解析(NGS)」が普及しつつあります。

これは専門の機器「シーケンサー」を用いてゲノム(遺伝子)解析を行うもので、サンガーシーケンシングとは根本的に異なる原理に基づくのが特徴。具体的にはあらかじめ微生物における全ゲノムを300塩基程度の短いDNA断片に切断し、その大量の塩基配列を同時にミクロ基盤上で決定…といった方法です。

つまり、従来のサンガーシーケンシングが「1人で何万ページにもおよぶ本を丁寧に確認・分析する」方法ならば、次世代シーケンス解析は「本のページをバラバラにして、それぞれを何万人かで分担して確認・分析する」方法と言えるでしょう。この方法により更に解析スピードがアップしたのはもちろん、圧倒的に作業コストも削減されました。

とはいえ、シーケンサーも用途に合わせて複数の種類が存在するため、研究や目的ごとに適した方法を選ぶ必要があるでしょう。

研究内容に合わせて選ぶ!
おすすめ次世代シーケンス受託解析会社3選
解析不良に関するトラブルシュートやそれを改善するノウハウを蓄積し、品質担保に努める企業として第三者機関から評価を受ける「ISO9001」を取得し、他社の解析サービスを代理店販売していない次世代シーケンス解析サービスを提供する企業の中から、「初めての受託解析」「cfDNA変異解析」「創薬の研究・開発」といった研究内容に合わせておすすめのサービス提供会社をご紹介します。気になるサービスがあれば、問い合わせてみましょう。
初めての受託解析なら
北海道システム・
サイエンス
北海道システム・サイエンス公式HP
引用元:北海道システム・サイエンス公式HP
(https://hssnet.co.jp/product/ngs-overview/)
研究者の意向を汲みとり、
柔軟な解析ができる
特徴

「実験相談窓口」を設け、様々な生物種や解析目的に応じた実験計画から実験プロトコル、データ解析まで研究者の立場に立った提案をしてくれる。

北海道システム・サイエンス
の公式HPを確認する

電話で問い合わせる

北海道システム・サイエンスについて詳しくみる

cfDNA変異解析をするなら
タカラバイオ
タカラバイオ公式HP
引用元:タカラバイオ公式hp
(https://www.takara-bio.co.jp/)
cfDNAを材料にゲノム解析を
行い、変異遺伝子を検出できる
特徴

遺伝子解析の中でも、ThruPLEX技術を用いたタカラバイオオリジナル解析サービス「cfDNA変異解析」を提供。変異した遺伝子を検出。

タカラバイオの
公式HPを確認する

電話で問い合わせる

タカラバイオに
ついて詳しくみる

創薬研究・開発なら
理研ジェネシス
理研ジェネシス公式HP
引用元:理研ジェネシス公式hp
(https://www.rikengenesis.jp/)
ワンストップでコンパニオン
診断薬や新薬を提供できる
特徴

遺伝子バイオマーカーの測定から、コンパニオン診断薬(CDx)を含む体外診断用医薬品の開発、薬事申請、製造販売までワンストップで対応

理研ジェネシスの
公式HPを確認する

電話で問い合わせる

理研ジェネシスに
ついて詳しくみる

【選定条件】
※2023年2月20日調査時点で「次世代シーケンス解析 受託」とGoogle検索し、50位までに表示されるNGS受託サービスを提供する企業29社のうち、「ISO9001」を取得し、他社の受託解析を代理店販売しておらず、公式HPでサービス内容をしっかり確認できる日本資本の会社を3社ピックアップ。その中から公式サイトで確認できる情報をもとに以下の条件で要件ごとに各サービスを選定。
初めての受託解析…北海道システム・サイエンス(調査した結果、3社のうち唯一、実験相談窓口※サービスを行っている)
※参照元:北海道システム・サイエンス公式HP(https://hssnet.co.jp/product/total-support/
cfDNA変異解析…タカラバイオ(調査した結果、3社のうち唯一、オリジナルcfDNA変異解析※を提供している)
※参照元:タカラバイオ公式HP(https://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009437
新薬の開発…理研ジェネシス(調査した結果、3社のうち唯一、開発・薬事申請・製造販売までワンストップで対応※できる)
※参照元:理研ジェネシス公式HP(https://www.rikengenesis.jp/placement/development.html