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知っておきたい!NGS用語集

次世代シーケンスに関する用語をまとめています。日々更新していきますので、分からない単語はここでチェックしましょう。並び順はアルファベット、50音順です。

目次

AmpSeq

目的のサンプル配列のみをPCR(生物の遺伝情報を有するDNAを複製)増幅して解析する手法で、ターゲットシーケンスの一種。PCRを行いつつライブラリーの作製ができるということで、プローブキャプチャー法と比較すると効率がよく、手間が省ける傾向があります。ただし、プローブ(測定・実験のために被測定物に挿入、あるいは接触する針)の設計そのものが難しいため、結果に偏りが発生しやすい注意点も。

IGV

ゲノムブラウザ(遺伝子のゲノム上の位置や、その周辺を表示するアノテーションが付加されたツール)の一種。それぞれのファイルデータをスピーディー、かつ簡単に視認しやすいので、同ブラウザの中では使用頻度が多いのが特徴です。また、ソフトウェアをダウンロードすれば、ローカルでも用いることができます。

paired-end

ライブラリーの両面からシーケンスを判断すること。 single-readと比較するとコストがかかる傾向がありますが、データ量は2倍になるため、その分得られる結果は大きいと言えます。 より正確な分析を行いたい時に適している方法です。

RNA-Seq

RNA(別名リボ核酸。 遺伝やタンパク質合成を司る細胞のこと)サンプルをシーケンス解析するもので、DNAに比べると分解されやすい物質のため、転写した時の変異や融合遺伝子、発現量などを検出可能なのが特徴です。

single-read

paired-endに対し、ライブラリーの片側からシーケンスを判断するもの。 データ量はコンパクトになりますが、その分コストを削減しやすいのが特徴です。

アダプター

シーケンスを行う際、サンプル配列(insert)の両端に付加するオリゴDNAのこと。 オリゴDNAとは約20塩基対(bp)、あるいはそれ以下の長さの短いヌクレオチド(DNAorRNA)の配列を指し、これらの配列をもとにNGS機器にてシーケンスが実施されます。

アッセイ

サンプルの存在や量、または機能的な反応や活性を定性的に評価、または定量的に測定する方法のこと。 化学物質に対する生物の反応を測定する場合は「バイオアッセイ」と呼ばれます。

遺伝子変異

DNAやRNAなど複数の物質が長く連なる核酸において、それを構成する塩基の並び順を「塩基配列」と呼びます。 この配列に標準と異なる以下のような特徴が見られる場合は「遺伝子変異」とされますが、ごく一部を除いて珍しいことではありません。

遺伝子変異の種類

置換:1つの塩基が一般的なそれとは異なる、挿入:塩基が標準の数より多い、欠失:塩基が標準の数より少ない

エクソーム解析

タンパク質を作る情報にもなる塩基配列。 しかし、ヒトをはじめとする真核生物は、塩基配列の一部のみにタンパク質の情報を含むのが一般的です。 この部分をエクソンと呼び、ゲノム中のエクソンの塩基配列に絞って次世代シーケンス解析を行うことを「エクソーム解析」と言います。 この部分はゲノム全体の約1%に該当するため、情報が限られる分低コストで解析が可能です。

塩基配列

DNAは、基本的に4つの塩基(アデニン・チミン・グアニン・シトシン)に特徴づけられるヌクレオチドが含まれるもの。 このA、T、G、Cの並び順を「塩基配列」と呼び、重要な遺伝情報として扱われます。

カバレッジ

カバレッジは特定のサンプル配列に対し、シーケンス機器で読まれた数。 つまり、実験をカバーする範囲のことですね。 例えば5回読まれれば5Xや5xのように表記され、カバレッジ数が多いほどより正確な結果を得やすいとされています。 ただし、やりすぎるとその分コストもかさみますから、目的に合わせて適切なカバレッジ計画が必要と言えるでしょう。

がんゲノム医療

ゲノム治療とは「個人のゲノムの違い」(遺伝子変異や遺伝子以外の変異、構造変異など)に基づき、病気の予防法や治療法の提供を目指すもの。 中でもがんの組織を用いる場合は「がんゲノム治療」と呼ばれ、1人1人の病状や体質に合わせた改善策が追求されます。

ゲノム

遺伝子をはじめ、生物の遺伝情報を総合的に表す言葉。 実体は細胞の中にあるDNAの塩基配列にあり、ヒトのゲノムは一般的に約30億の塩基から構成されると言われています。

クラスター

illuminaシーケンス機器を用い、ライブラリーの1本鎖DNAを解析可能な状態まで増幅したもの。多数の遺伝子発現をシステム化するため、必要な分まとめられた集積体は遺伝子クラスターと呼ばれます。

ゲノム医療

「個人のゲノムの違い」(遺伝子変異や遺伝子以外の変異、構造変異など)を活かし、病気の予防法や治療法の提供を追求すること。

検体

実験におけるサンプルのこと。 医学分野においては、医学研究や診療のために患者さんから提供される組織や細胞(血液等)を指します。 これはプライバシーに配慮するため、基本的には匿名化した上で解析されるそうです。

構造変異

遺伝子変異自体は珍しいことではありませんが、一般的なそれよりも大規模な変異を「構造変異」と呼びます。 数十万~数百万レベルの塩基が移動したり、失われたり、重複したりするケースを指し、場合によっては染色体がちぎれ逆向きに繋がる、別の切れた染色体と繋がるといった状況も。 こういった構造変異が病気の原因と考えられることもあります。

全ゲノムシーケンス

一部を解析するエクソーム解析に対し、ゲノムすべての塩基配列を読み取る解析を「全ゲノムシーケンス」と言います。 コストはかかりますが、その分総合的な結果を得ることが可能です。

ターゲットシーケンス

サンプルの中で、特定の配列に絞りシーケンス解析を行う方法。 ターゲットが限られているので余計なコストをかけずに済むほか、最小限の手間で目的の領域をより詳細に解析できます。 AmpSeq、あるいはプローブキャプチャー法が用いられるのが一般的です。

プローブキャプチャー法

目的のサンプル配列に対し、互いを補い合う関係性にあるプローブ/ベイトを用いて濃縮することで、ターゲットシーケンスを行う方法のこと。 AmpSeqと比較すると対象範囲を均一にカバーしやすいいっぽう、プローブコストが発生したり、作業の手間がかかるといった注意点もあります。

ライブラリー

シーケンス機器において、サンプルDNAやRNAを解析可能な状態にしたもの。 サンプルは両側にアダプターが付加され、適当な長さにまとめられています。

リード

シーケンス機器において読まれた、それぞれのサンプルの配列のこと。 ショートリードとロングリードが存在し、それぞれ以下のような特徴があります。
ショートリード:主にIlluminaという機器で読まれるもので、数百塩基と短い長さで、正確性が高いのが特徴
ロングリード:主にPacBioやNanoporeという機器で読まれるもので、数千以上の塩基が表される

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※参照元:理研ジェネシス公式HP(https://www.rikengenesis.jp/placement/development.html